【まめレポ🐘 #1】入社半年の新人デザイナーがはじめてロゴを作成した話。

こんにちは、きむらです。今回からスタートさせた「まめレポ」シリーズ🐘
まめレポでは、まめぞうデザインの新人デザイナーのきむらが現場での学びや気づきを綴るレポートシリーズとしてお届けしたいと思います!
(きむらのプロフィールはこちら💁♀️)
そんな第1回目は、「初・ロゴ制作編」です。
私がはじめてロゴデザインに挑戦した「呼密(Humi)農場」についてご紹介します📝
台湾と日本をつなぐブルーベリー農場「呼密農場」のロゴをつくる
ご依頼内容は、てっちゃんさんの叔父さんが経営するブルーベリー農場「呼密(Humi)農場」の
ロゴリニューアル。
↑リニューアル前のロゴ(呼密農場のInstagramはこちら💁♀️)
今回はてっちゃんさんの叔父さんからも許可をいただいたので、
実際の案件の内容を公開し、そこでの気づきや制作の過程をレポート形式でお伝えします!
ロゴづくり、何から始めたらいいんだろう?
私がまめぞうデザインに入社して、約8ヶ月が経ちますが、実はまだロゴ制作の経験はゼロです。
普段のバナーやWebデザインとは違い、「ゼロからブランドを象徴するカタチを生み出す」という経験はまったく初めてで、戸惑いもありました。
正直、最初は「ロゴって、どうやって考え始めればいいんだろう?」というところからのスタート。
手探りの中、まずは名前の意味や想いを深掘りしてみました。
実際にいただいた依頼内容の資料
資料には細かく希望がまとめられており、「シンプル」「手描き感」「親しみやすさ」「プロフェッショナル」というキーワードと、現状で気になっているロゴとして、シンプルで展開のしやすそうなものと、親しみのある手書き風イラストのロゴが添付されていました。
この依頼内容と、呼密農場というブランドが持つ背景を踏まえ、「どうすれば呼密農場らしさを表現できるのか」を探りました。
名前を起点に、ロゴのコンセプトを組み立てる
農園の名前「呼密」は、農場主であるてっちゃんさんのお爺さんの名前の日本語読み「ふみ」をそのまま当て字にしたものです。
シンプルな由来の名前ですが、ロゴ制作にあたってはこの「呼密」という言葉から着想を広げ、デザインのコンセプトを形にしていきました。
↑使用したノート。
ブルーベリーに関連するキーワードを連想ゲームのように繋いでいきました。
特に、「呼密農場」の名前を以下のように分解し、それぞれの漢字に意味をつけました。
「呼」:自然の中で呼吸する、風や声、呼びかけ
「密」:自然が密に生い茂る、果実が豊かに実る
こうして見つけたキーワードをもとに、次は実際にロゴのカタチを考えていくフェーズへ。
いくつかの方向性を探りながら具体的なデザイン案づくりを行いました。
デザイン案① 曲線と葉で「つながり」と「自然」を表現するロゴ
「ふ」の字の曲線を活かして、日本と台湾をつなぐイメージを表現したい、と思い、以下の流れでデザインを制作しようと進めていきました。
いろんな曲線を描いて模索しましたが、最終的には二つの半円を組み合わせたような曲線と葉っぱのイラストを使用して「ふ」という文字を表現することにしました。
このシンボルマークに、「呼密農場」の字をブルーベリーや葉っぱに見立てたロゴタイプを合わせて、実際に提案したロゴがこちらです。
そしてこのロゴと合わせて提出した提案文章↓です。
「呼密(humi)農場」の名前の「ふ」という文字を
ブルーベリーの果実が実ったイラストを用いて表現しました。
風に乗って運ばれるブルーベリーの香りが、
遠くから人々を引き寄せ、「ふふふ」と笑みの溢れる場面を
育んでいく、という想いを込めています。」
(私的にはこれが一押しです、、選ばれなかったけど🤭)
デザイン案② 吹き出しと果実で「呼びかけ」と「実り」を表現するロゴ
二つ目の案は以下の流れで、吹き出しとブルーベリーを掛け合わせ、「呼びかけ」と「密」をビジュアル化しました。
このシンボルマークに、先ほどと同じロゴタイプを合わせて「濃くて甘い、呼び声がする」というコピーを合わせたものがこちら
(提案文章)
「呼密」という名前から、
「呼」:自然の中で呼吸する、風や声の呼びかけ。
「密」:自然が密に生い茂る、果実が豊かに実る。
というメッセージを連想しました。
「呼びかけ」=“吹き出し”をブルーベリーに見たて、
密に生い茂っている様子を表しています。
呼密農場の商品の魅力が人の手に渡って会話をうみ、
その輪が広がっていく未来を表現しています。
こちらの案は、かなりシンプルにキーワードをビジュアルに落とし込んだものになりました。
デザイン案③親しみのある動物モチーフのエンブレムロゴ
最後の案は、上記2案から少し離れた印象にしたかったので、農場らしく動物をモチーフにしてみるのはどうかと考えました。
そこで、案①と同様に、“ふ”の文字をヒントにして、“呼びかけ”や“引き寄せ”の象徴として小鳥のシルエットを作成してみました。
てっちゃんさんから「BEAR」という文字が動物のクマと混同しやすいので変更したほうがいいのでは、という指摘を受けて調整したのがこちら↓
(提案文章)
クラシカルで親しみのあるエンブレム型デザインです。
「呼びかけ」や「引き寄せ」の象徴として、小鳥をアイコン化。
これは「呼密(humi)農場」の名前の
「ふ」という文字を変形させたものです。
REACH & HARVEST(想いを届けて、実りを迎える)
呼密農場の果実は、目のいい鳥たちが見つけた“とっておき”。
自然の中で一番おいしい瞬間を、
「ちゃんと見つけて、ちゃんと届ける。」
それが Hu Mi Berry Co. のこだわりです。
ロゴデザイン3案提出、クライアントからの反応
社内レビューの結果、特に大きな修正は必要ありませんでした。そこで準備した3つのロゴ案を、クライアントである叔父さんに提案することにしました。
今回はてっちゃんさんに、提案文章を中国語に翻訳してもらい、叔父さんへのプレゼンテーションをお願いしました。
少し緊張しながらご連絡を待っていましたが、数日後に以下の内容でフィードバックが届きました。

3案とも頑張って考えたので、どれにするかしっかり悩んでもらえた、という点が嬉しかったです。
結果的に動物モチーフの3案目のエンブレムロゴが採用となり、最終的には以下のロゴで納品を行いました。
今回のロゴデザインについて、呼密農場のオーナーであるおじさんからもコメントをいただきました。
以下、そのままご紹介します。
鳥のようなフォルムが一番印象的で、「飛翔」や「自由」の象徴として、自分の“自由という信念”にも重なるところがあって、すごく共感しました。
それに、ちょうど地元では、近所の人たちが自分のことをあだ名で「鳥」って呼んでくれていて、そこも繋がっていて親しみを感じました。 あと、ロゴの下にある英語の2文字も、なんだか惹かれるものがあって印象に残りました。
嬉しい共感や偶然のリンクがあったことに、感動しました。
おわりに|“伝える”ロゴづくりの一歩目
初めてのロゴ制作は、手探りで、少しとっつきにくいイメージもありましたが、「言葉の意味を深く探ること」「言葉からイメージを広げること」
そしてそこから得たイメージをデザインとして形にすることの大切さを学べた経験になりました。
最終的に採用されたロゴは、呼密農場のやさしさやストーリーを表現するシンボルとして、今後も活躍してもらいたいです。
今後も、伝えること・感じてもらうことを意識しながら、ひとつずつ丁寧にデザインと向き合っていきたいと思います。
次回のまめレポもどうぞお楽しみに!🐘